『現代に舞い降りた天使たち』第9弾 今回の物語も比較的長いものです。
そして、これまた出演キャラが豪勢ですよぉ❤
本当、こんなことは年1回あればいい方かも……ってなくらいですのでね^^
ある意味、「It's Surprise DAY!」と似て非なる状況下ではありますね。
まぁ、こういう状況になったのも、ある方とある方のおかげ!?
ただし……ちょっと天然入ってますw
いいのか? こんなんでwww
でも、私はこんなあの方が、大好きです❤
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「あ〜。今日の授業も疲れたなー」
「何言ってんの。そんなに疲れるような授業無かったじゃない」
だらけた様な姿を見て、呆れつつも笑ってしまう。
「そーか? オレは結構疲れたぞ?」
「きっとガイだけ何倍も授業してきたんだねー」
あらぬ方向を見ながらそんなことを言うと、さすがにカチンときたようで。
むっとした顔をして、ぼそっと呟く。
「……それ、嫌味か?」
「えー? そんな風に聞こえたー?」
そう言いながら、くすくす笑っている。
「……時々マヤって、そーゆーこと言うよなー」
「気のせいじゃないのぉ?」
「ちぇっ。なんか、可愛くねーぞー?」
「別に良いもん。ガイに可愛いって言ってもらわなくっても」
「そーですか。ちっくしょう……」
ちょっと悔しそうに、横を向きながら呟く。
そんな声も聞こえない振りをしながら玄関の扉を開け、誰もいないだろうと思っていながらもいつもと同じように元気に言っていた。
「たっだいまー」
「ただいまぁ……」
いつも元気に帰ってくるガイの声に妙に元気が無いのは、先ほどのマヤとの会話が引き摺っているからで。
別に調子が悪いとかではなかった。
そして、ガイもまた、マヤと同じように、そこには誰もいないものだろうと思っていた。
「おぉ、お帰り」
思いがけない声が、ふたりを迎えた。
「ユダさん!」
「おぉ、ユダじゃねーか!」
マヤとガイが驚きのあまり、大きな声を出した。
そして、ふたりともにっこりと笑いかける。
「なんかさー、ひっさし振りにユダの顔を見た気がするんだけどさ……。気のせーかなぁ?」
「いや、おれもおまえの顔を見るの、久し振りな気がするよ」
「なんで同じ屋根の下に住んでるのに、会わねーんだろうな?」
不思議そうな顔をして思案している横で、マヤが苦笑しながら答える。
「時間帯が違うからね……」
「そりゃー、そーかもしれねーけどよ。それにしたって……こんな時間に会う事もあるわけだし?」
そんなガイの言葉に、ユダも考え込む。
「ふむ。そう言われてみれば、そうだな。何故会わなかったんだろうな?」
「別に、そんなに真剣に考えることじゃあないとは思うんだけど……」
ふたりの考え込むような仕草に、マヤはどうしたものかと思ってしまった。
「本っとー、不思議だよなー」
「これはまた、珍しい面子だな……」
新たな声の主に、みなが入り口の方を振り返り……。
「ルカ!?」
「ルカさん。お久し振りです」
「なんだなんだ? 今日は……。ルカまでくるとは珍しーな」
「なんだ? ガイ。わたしが来てはまずいのか?」
「そう言うわけじゃねーよ。ユダに久し振りに会ったなって話をしてたら、ルカにまで会うなんてさ」
「ほう? 一つ屋根の下にいるのに、久し振りに会うのか?」
「まーな。ど〜もオレたちって時間帯が会わねーんだよなー。ユダとはほとんど顔合わせねーんだよ。なー?」
「そうだね。朝はボクらが早いし、夕方くらいしか会うこと無いはずなんだけど、それもあんまり会わないしね」
ふたりのその言葉に、ユダがすまなさそうな表情になる。
「おれが自分の部屋にいる時間が、長いせいだな」
苦笑しつつ、そう答えてルカを見る。
「で? ルカ。今日はどうしたんだ?」
「友の顔を見るのに、いちいち断りを入れねばならぬのか?」
「あ、いや。そうではない。ただ、おまえのところはあまりヒマがなさそうだと思ったからな」
「確かにな。今日は午後から久し振りに丸1日休みをもらえたんだ。だから、おまえの顔を見たくなってな」
「やっぱ、ユダ目当てかー」
「その言い方は、なんかヘンだよ? ガイ」
マヤが苦笑しながら言う。
「確かにな」
ユダがそう言うと、皆が吹き出した。
「なんだよー。笑うこたーねーだろー?」
恥ずかしさも相俟って、ガイの顔が赤くなる。
「すまない。つい……」
「あっ! そう言えば、ルカさん、晩御飯は?」
「いや、まだだが……」
「時間的にも早いだろう?」
「確かにな。まだ2時だしな」
「まだお昼の時間だね。そうじゃなくて――久し振りに、みーんなで一緒に食べない? 今晩はルカさんもいるんだもんね? だから、みんなで食べようよ! 久し振りに」
少し興奮気味にマヤが言う。
本当に久し振りのみんなの食卓を想像して、わくわくしているのかもしれない。
「わたしは、別に外で食べても構わないのだが……」
「水臭いこと言うな。きっと、レイなら喜んで作ってくれるよ」
「そうだぜ。なんだったら、オレたちもちょっとは手伝うしよー」
「うん。ボクもお手伝いするよ」
「ありがとう。嬉しいよ」
「じゃあ、レイに晩御飯のこと言ってくるね。ガイ、行こっ!」
「おぅ! じゃあ、またなー」
「あぁ」
そう言って、ぱたぱたと二人は駆けて行った。
残された形になる、ユダとルカ。
「どうする? レイに会ってくるか?」
「あー。いや……あとで、いい……」
「どうした? 何かあったのか?」
「別に何も無いさ。レイと会うのは久し振りだから、なんか気恥ずかしいんだよ」
「そうか。じゃあ、おれの部屋に来るか?」
「いいのか?」
「何を遠慮してる。元はと言えば、おまえとの相部屋だったところじゃないか」
「まぁ、そう、だな……。じゃあ、お邪魔させてもらうよ」
「そう言うのが他人行儀だって言うんだ」
「仕方ない。それがわたしなのだから」
ユダの指摘に苦笑しながら、ユダの部屋へと向かおうとすると。
「ルカ!?」
少し悲鳴に近い声音。
その声に思わず振り向いていた。
「レイ!?」
しばらく、お互いが見詰め合っているような気がした。
それは、ほんのちょっとの間のことだったかもしれないし、かなり長いことだったかもしれない。
「……お帰りなさい」
やがて、レイが泣き笑いのような顔でそう言った。
「あ……。ただいま」
やわらかい笑みで、ルカが答える。
「お休み、なんですって?」
「あ、あぁ。そうなんだ」
「じゃあ、今日のお夕食は腕によりをかけて作りますね」
「わかったよ。レイの食事を食べられることを楽しみにしているよ」
「はい。じゃあ、待っててください」
無理に作る笑顔が強張るのを抑えながら、レイは踵を返して台所に向かった。
その後姿を見送るルカ。
「良かったじゃないか。今会えて」
微笑みながら、そっとユダが囁くように言う。
「あぁ。きっと慌ててきたんだろうな……」
「だろうな」
切羽詰ったような慌ててきたような、そんな感じで息を少し切らしていたレイの姿を思い出して、少し笑みが浮かぶ。
「どうした?」
訝しげに問うユダに、首を振った。
「いや、なんでもない」
「相変わらず、おまえは秘密主義だな」
「おまえこそ。相変わらずみたいじゃないか」
「そうか? まぁ、自分のことは自分自身がわかっているつもりでも、意外と他人が見る自分像とはかなりな開きがある場合もあることだしな」
「なにをわかったようなことを……」
「いや、よくあることだと言うことだよ」
「ほう……。何か、あったのか?」
「……いや……別に……」
「別に――と言うような、言い方ではないな」
「まいったな。おまえといると、隠し事は出来ないな……」
「自分で他人行儀はやめろと言っておきながら、自分は秘密主義か?」
「あ、いや……。……そう、だな。悪かった」
「別に責めてやしない。まぁ、言いたくなったら、いつでも打ち明けてくれ」
「……ありがとう……」
「おまえも、結構、水臭いな」
「そうか?」
「あぁ。そうだ」
「ユダは、何でも一人で背負い込もうとするからなー」
数段ほど階段を上がった先で話していた後ろから聞こえる別の声に、ふたりは思わず振り向いた。
「ゴウじゃないか」
「ゴウ!? いつからそこに?」
「やあ、ユダ。ルカ。たった今さ。別にふたりの会話を立ち聞きなんてしてないぞ?」
悪びれる風も無く、笑顔でふたりに近づいていく。
ユダとルカは、思わずお互いの顔を見合わせ、肩を竦めていた。
この飄々とした男は、意外と本音を見せないところがある。
まぁ、ある意味世渡り上手と言うべきか。
それでいて、他人の変化には敏感で。
なにかあると、いつの間にかそばに居たりする。
精神的にも、頼れるヤツなのだが……。
「ちょっとお節介なのが、玉に瑕ってヤツかな?」
ユダがぼそっと呟いていた。
その声を聞き取ったルカは、密かにほくそえんでいた。
「ほぅ。こりゃあまた、今日は一段と豪勢だなー」
ずらりと並んだご馳走に、感嘆の声を漏らしたゴウ。
「そりゃあ、腕によりをかけて作ったんだもんね。ね? レイ」
「そ、そうですよ――って、何を言わせるんですか、マヤ」
「あ〜。レイが照れてるー」
「もぅ。からかわないでくださいっ!」
「オレも、オレも、ちゃんと手伝ったんだぜー!」
「ガイもか? それは凄いな」
「だろー?」
ガイが少し威張り気味に、えっへんと胸を逸らしていた。
「ただ今帰りました――っと、凄いですねー、今日の夕食は……。どうしたんです?」
テーブルに所狭しと置いてある食事に目を見張り、瞬かせているシンが、食堂の入り口から顔を覗かせていた。
「シン兄さん、お帰りなさい」
一番近くにいたマヤが声をかける。
「ただいま、マヤ」
笑顔でそう答え、奥の方へと視線を巡らせた。
そこにいた、本当に久し振りに会う友の顔が目に飛び込んでくる。
「あ、ルカ。帰ってきていたんですか?」
その隣にユダの顔も認めて、嬉しそうに微笑んでいた。
「おぅ、シン。今日は早かったんだな」
シンの解り易い反応に、少し微笑ましさを感じながらゴウが言う。
「えぇ、もうピークは過ぎましたからね。定時で帰ってこれました。でも、早めに帰ってきて、良かったです」
久し振りに夕食の席が一緒になるのが嬉しいらしく、ほんの少しだけ頬を染めていた。
「今日は、ご馳走だもんな!」
「本当ですね」
「なにか、仰々しいことになってしまったな……」
申し訳なさそうな声音で。ルカが言う。
「ルカがそんな風に考えること無いだろー? オレたちも楽しかったし、いいんじゃね?」
「そうだよー。みんなが集まるときくらい、いいじゃない」
「だがな……」
「まぁ、たまにはいいだろう? おまえだって、この方が嬉しいんだろう」
少しからかうようなユダの声音に、ルカは肩を竦めて笑った。
「そう、だな。確かに嬉しいよ。ありがとう、みんな……」
「いいってことよー。なー?」
「ねー」
ガイとマヤが顔を見合わせて、笑っている。
「そうですよ。さ、座ってください。遠慮なんかしないで。ほら、みんなも」
「はーい」
銘々の席に着くと、いくつかの空席が目に付いた。
「そういや、パンドラたちはいつ帰ってくるんだろーな?」
「あー。いつだろ? そう言えば、聞いてなかったね」
「今日は出てくの、早かったのか?」
「さ、さぁ? 時々何も言わないままに出て行くこともありますからね。解らないこともあります」
「そっかー。もしルカが帰ってきていることを知ってたら、きっと早く帰ってくるだろーな」
「なぜだ?」
不思議そうな顔で、ルカがガイに尋ねる。
「そりゃあ……」
「ただ今帰りましたー」
「お? 噂をすれば……」
「な? やっぱり、知ってたんだぜ」
にやりと笑いながら、ガイが言う。
パタパタと言う音が響いたあと、食堂の扉が開き、そこからひょこっと顔を出すパンドラ。
「おや、みなさんお揃いで。おやおや、ルカ殿ではないですか。お久し振りです」
「やぁ、パンドラ。久し振りだな」
「はぁん……それで、こんなご馳走……。あ、私たちにお構いなく、お先に進めてください。着替えてまいりますので。さ、行きますよ。シヴァ」
「ルカがいるの?……」
と、シヴァの問う声が遠くなっていく。
「そんなに急がなくても良いぞー」
ゴウがそんな声をかけるが、果たして聞いていたかどうか、怪しいものだった。
慌てたように戻ってきたのは、シヴァだった。
パンドラからユダもいたと聞いて、急いで着替えてきたのだった。
少し頬が上気しているように見えるのは、急いでたからなのか、それとも別のことが原因なのか……。
それからやや遅れるようにして、パンドラが入ってくる。
肩にはやはり、当然のごとくパールが同席していた。
そして、肩の上のパールは、久し振りに会うルカに対して礼儀正しく挨拶していた。
「さすがに、これだけ人が揃うと圧巻ですねー」
思わず漏らす言葉に、ちらりとゴウが視線を送る。
それに、はっとするが時既に遅し。
けれども、当人は聞いていないのか、気にしてないのか……。
反応は無かった。
それが少しだけ、痛々しかったのだけれど。
いつもにも増して賑やかな食卓が、それを忘れさせてくれているのかもしれなかった。
突然、マヤが席を立つ。
「どうした? マヤ」
不思議そうな顔で、ゴウが問いかける。
「今、音がした」
「音?」
みんな不思議そうな顔をしてマヤを見ていた。
「うん。音がした」
少し嬉しそうな顔に、みんなはお互いの顔を見合わせていた。
「大丈夫かー? マヤ」
「えー? みんな、聞こえないの?」
「何の音だよー?」
と言う声と同時に、食堂の扉が開いた。
「真打登ー場! なーんてな」
「お帰りなさい!!」
言うが早いが、飛び出して抱きついていく。
「おっと。ただいま、マヤ」
みんなはぽかんとした顔で、ふたりの様子を眺めていた。
その様子に、戸惑って。
「ど、どーしたのかな? みんな、固まっちゃって……」
ややしばらくの間があって、驚きの声が上がった。
「キラ!?」
「おまえ……あれ? 今日だったっけ?」
考え込むように、額に手を当てる。
「やだなー、ゴウさんまで……。ほら、今日は……」
「あ!! そーだったか……悪い。忘れてた」
「あらら……。やっぱり……。そんなことだろうと思ってたけど。それが本当と言うのは少し落ち込むなぁ……」
苦笑しながら、思わず肩を竦めてしまった。
「いや、悪い!」
目の前で両手を合わせて謝っているゴウの姿と言うのも、滅多に見れぬ代物だった。
「なになに? どーしたの?」
きょとんとした顔で、マヤは兄とゴウの顔を交互に見ていた。
それは、皆も同じもので。
いったいこれはどうしたという事なのだろう?
みなの顔に疑問が浮かんでいた。
小さなため息をついて、キラがマヤに言う。
「ちょっと、マヤ。その手を解いてくれないか」
抱きついているマヤの手を解いて、後ろに置いてあったものから、何か箱を取り出した。
「ほれ。誕生日のお祝い。おめでとう」
「えっ? えぇっ? あれ? そーだったっけ?」
「おまえ、自分の誕生日も忘れてたのか?」
「あ、いや……。ちょっと、いろいろあったから……」
「まったく。おまえもおまえだが、みんなも忘れてたってワケ?」
ばつが悪そうに、みんなが少し視線を逸らした。
「もしかして、そのためだけに?」
「そーですよ。たった一人の弟の誕生日を祝うためだけに、休みをね」
「……兄バカっつーか、なんつーか……」
ボソッと言ったつもりのガイの言葉は、しっかり耳に入っていたみたいで……。
「なんだって? ガイ。あぁん?」
「な、なんでもねーよっ! 聞き違いだろ? それより、すっかり忘れてたぜ。今日がマヤの誕生日だって事をよー。どーしよ。プレゼントなんて、全然用意してねーぜ」
「別に良いよ。また今度でさ」
「でも、誕生日って、一年に一回なんだぜ? 一応、記念の日なんだしさー」
「じゃあ、明日で良いよ。ボク、気にしないから」
「そーか? 悪りぃなぁ……」
「いいってば。1日や2日ずれたくらいで変わりはしないでしょ? それに、キラ兄さんがこんな風にお祝いしてくれるってだけで、ボク、すっごく嬉しいや」
満面の笑みで言うマヤの笑顔には、いっそ清々しいほどに一点の曇りも無かった。
キラが持ってきたそれは、大きな真っ白い生クリームでデコレーションされたケーキだった。
全員が食べられるくらいの、それはそれは大きなケーキ。
まるで、あらかじめこうなることが予想されていたかのような……。
何よりも目を惹いたのは、キラキラとまるで宝石のように輝く苺が、所狭しと並べられているところだろう。
「すっごーい!! こんなのどこで買ったの?」
「どこだっていいだろ。ここのは美味いって評判なんだ。どうしてもおまえに食べさせたくてね……」
「嬉しいな。そんな風に思っててくれてたなんて」
涙さえ浮かべそうな、そんな笑顔だった。
「当たり前だろ。いつも、おまえのことをオレは思っているよ」
えも言われぬほどに優しい笑顔と言葉に、くすぐったそうにするマヤ。
「いやあ、本当に凄いなー。さすがキラだな。マヤの事になると実力以上のものを発揮するよな」
「……それって、普段はダメってことですか?」
少し皮肉めいた言葉が飛び出して、言った後にしまったというような顔になった。
器用に眉を少し上げただけで、ゴウは豪快に笑った。
「そんなこと、誰も言ってないだろう。一応、おれは褒めてるつもりなんだけどな」
「あ……すみません」
「なに。別に良いってことだ。今日はおめでたい日なんだから、楽しくやろう」
妙に緊張しそうになったその場も、ゴウのその一言で和やかになる。
実に、不思議な能力を持った人だと、キラは常々思っていた。
揉め事が起きそうなとき、決まってゴウが何かひとことふたこと言うと、それだけで和やかな雰囲気へと変わってしまうのだ。
まぁ、ゴウ本人がいきり立っていた場合は、抑えられる人がいるかどうかは――怪しいものだけれど。
そう言う意味で、ゴウがいるということだけで、意外とここにいるみんなはほっとしているのではないかと思う。
誰もが、はっきり口ではそんな風には言わないけれども。
これはやはり、天性のものなのだろうか?
美味しいご馳走に、大きなケーキ。
普段は一緒にいない人たちとの楽しい食事と言う思わぬプレゼントに、マヤは大満足していたようだった。
そんなマヤを見て、一番嬉しかったのはキラ自身かもしれない。
このある意味SurprisePartyを考え出したのはキラだったから。
弟を驚かせようというのもあったが、それならばいっその事、みんなで揃って――と言う考えを打ち出したのはゴウだった。
だから最初に、この日に休みが取れないかと前々からルカに打診していたのはゴウだったし、パンドラたちにもこの日だけは早めに帰ってくるようにと言い置いていたのもそうだった。
しかし、それをゴウ本人が忘れていた……。
彼は時々、こんならしからぬ事をする。
普段は何でも知っていて、何でも出来て、それこそ、そこにいるだけで頼りになれてしまうくらい、本当に頼れる兄貴的存在であるゴウなのだけれど。
まぁ、ある意味、完璧すぎてしまう人よりも人間味があって、それが一段と身近に感じられる存在となって、より好かれる一因になるのだろう。
ゴウが意図した通り、本当に久し振りに、みんなが揃った食卓になっていた。
こんなこと、年に1回あれば良い方なくらいに確率が低い。
なんと言っても、ルカとキラが住み込みで働いているようなものだから、顔を合わせる事が他の面々と違って少ない。
まぁ、キラの場合は、割と頻繁に弟の顔を見る名目でやってくることは多いのだが。
ルカにいたっては、執事と言う職業柄、休みがあってないようなもので。
たまに休みが出来たとしても、いつ呼び出しがかかるか解らないと言うことで、滅多に帰ってくることはない。
そんな面々が一堂に会したのだ。
本当に、マヤにとっても素敵なプレゼントになっただろう。
そしてそれはみんなにとっても……。
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