『現代に舞い降りた天使たち』第6弾 これは、マヤがメインではありますが、ガイも絡んでます(苦笑)
裏タイトルで「心がちょっぴり大人になったマヤ」と言うのがあったりします(笑)
読んだ方は、どんな感想をお持ちになったか、教えてくださると嬉しいですね^^
六聖獣のときとも、四聖獣のときとも、宴のときとも違う、ここならではのオリジナルなマヤ。
私の中のマヤのイメージって、こんな感じなのかもしれません。
ちょっとずつ大人になってるって感じの。成長途中かな?
ちなみに。
古の六聖獣の頃のマヤにとっては懐かしい方がゲスト出演しております❤
どなたか、わかりますか?^^
それでは、↓のリンク
「≫ Read More...」 をクリックして読んでくださいね❤
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆コワレナイ思イ出━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
今日もまた、くるくるくるくる回っている。
そこから出来上がるのは、なんだろう?
不思議な、魔法のようなひととき……。
「こんにちはー」
玄関の横にある小道を通って、もうひとつの入り口から中に入って声をかけた。
そこには作業中の姿のその人がいた。
かけた声に、ちょっとだけ顔を上げて。
でも、またすぐ手元を見つめていた。
「おぅ。またきたのか。今日はひとりなのか?」
「うん……。今日はお休み取れなかったから……」
少し哀しそうに呟くと、優しい声で答えてくれた。
「そう、か。まぁ、賑やかなのがいないのは少し淋しいが。ゆっくりしていけよ」
「はい。ありがとうございます」
ちょっとぶっきら棒だけど、そんな優しさが好きだった。
彼は彼なりに、自分を歓迎してくれている。
そう思えていたから。
じっと見ていると、いろいろな形になって出来上がる。
ひとつの器を作っては、乾燥のために別のところに置きに行く。
ある意味、単純作業ではある。
「ところで……。おまえは、陶芸が好きなのか?」
作業がひと段落付いたところで、そう声をかけてきた。
「陶芸?」
「これだよ、これ。粘土を使って、器とかを作るんだ」
ひとつの粘土の塊を、自分の前ではないところに置いて、手招きする。
それにつられる様に近寄ると、その塊の前に座るように指図された。
「あぁ。そうですねー。なんか、こねこねしてると、妙に落ち着くというか……」
「そうか。それは、好きって言うものだぞ」
「そうなのか……」
ちょっとだけ照れくさそうに頷いて。
「まぁ、たいていのヤツは、土を弄るのが好きだったりするな。粘土に限らず、畑や田んぼだったり、庭だったり、鉢植えだったり……」
「あ、そーか。そう言われてみればそうですね」
「人は、こうして土に触れていると、落ち着くんだそうだ。だからじゃないのかな? いろんな形で触れてみたいと思うのは」
「なるほどー。なんか解った気がします」
「ま、幸いと言うか、ここには粘土ならたくさんあるからな。好きなだけ弄っていくと良いさ」
そう言って、にっと笑う。
つまり、今目の前にある粘土の塊を、好きなだけ弄って良いってことなんだろうな。
ちょっとぶっきら棒でいて、優しい心遣い。
もしかすると、お父さんって、こんな感じなのかな――とふと思う。
「はい。ありがとうございます。カムイさん」
にっこり笑って答えていたら、ふと、あの日のことを思い出していた。
ボクらが始めて、この工房に迷い込んだときのことを……。
うっそうと生い茂る森の奥深く。
聞こえるのは鳥の声と、風に揺れる葉擦れの音。
そして、近くを流れているのであろう沢の流れる音。
木洩れ日がそこかしこにある分、真っ暗とは行かないが、あまり明るいとは言えない森の中だった。
「ここ、どこだろう? ボクたち、迷子になっちゃった?」
「あぁ。こりゃあ、完全に迷子だな……」
ため息をついて、左右を見渡す。
「いったいどっちがどっちなんだよ?」
「こんな山の中じゃ、ケータイも通じないだろうしねー」
「本当だ。しっかり圏外だぜ」
「どうしようか?」
「どうしようって言ってもなー」
「そう言えば、地図。持ってなかった?」
「おっ。そうだ。なんで気付かなかったんだろー」
リュックの中をがさごそと探して、地図を取り出した。
「ん〜と……。確かこっから登ってきたんだよな。んで、沢があって、と……。あ〜、これ尺度が大きすぎるな。ちょっと役にはたたないかもしれないぜ」
悔しそうな声に、横から覗きこんだ。
「あ、ねぇ。ここ。何かあるみたいだよ? 誰かの家かな?」
「なにっ? 本当だ。もう少し山の上の方みたいだな。沢伝いに登っていけば辿りつくかな?」
「そうしたら道も教えてもらえそうだね」
「連絡も付くかもしれないな。行ってみよーぜ」
「うん。行こう!」
さっきまで途方にくれていたのに、とたんに元気になるふたり。
「なんか安心したら、おなか空いてきちゃったな」
「まだ安心するのは早いぜ? どんな家かわかんないんだからな」
「脅かさないでよ。きっと、誰かいるって」
「そーだと良いよなー。誰かの別荘で誰もいませんでした――なんてこと……」
「ふ、不吉なこと言わないでよぉ」
さっきまでの元気はどこへやら、なにか今にも泣き出しそうな顔になってしまった。
「悪い悪い。まぁ、ちゃんとした人が住んでいる家であることを願おーぜ」
「う、うん……」
しばらく歩いていくと、急に目の前が開けた。
そして、広場のようなところのほぼ真ん中に、ログハウスのような家が一軒建っていた。
「うわぁ。木のお家だぁ」
「すっげー丸太。これ業者に頼んだら、高そーだな」
「……夢の無いこと言うね……」
「そーか? まぁ、これはどう見てもお菓子の家ではなさそーだけどな」
「なんで、そーなるの? 話が飛躍しすぎだよー」
「はははは。わりぃわりぃ。それよりよー。誰が住んでんだろうなー、こんな家」
「本当だねー。って、はぐらかしたね?」
「あ、バレた?」
「もぅ」
そんなふたりがじゃれたようなやり取りをしているのを聞きつけたのか、窓が開く。
「誰かいるのか?」
少し重厚で低めな、耳に心地良い声。
「あ……」
ふたり同時に開け放たれた窓を見て声を上げていた。
「人、いたんだ……」
しばらく、ぽかんとしていたかもしれない。
「人がいて、良かったね」
そんな声に我に返る。
「あ、あぁ……」
何か、威圧感みたいなものを感じて、少し気後れしていた。
「なんだ? おまえらは……。もしかして、迷子か?」
そう言われて、ふたりは顔を見合わせて、ばつが悪そうに照れ笑いをしていた。
「そ、そうなんですー」
「すっかり迷っちゃって……あの、すみませんが、お電話、貸していただけませんか?」
「電話? まぁ、それくらいはかまわんが……」
「すみません。では、お借りします」
「中にある。そこの玄関から入ってくれ」
窓の横に、玄関があった。
曇りガラスの嵌る、格子の扉。
ノブに手をかけ扉を開けると、中から漂ってきたのは、なにか一種独特のにおい。
「なんの、においだろう?」
小声の質問に、肩をすくめた仕草で「さぁな」としか呟けなかった。
確かに、頻繁に嗅ぐにおいではない。
けれども、どこか懐かしい気もするような、そんなにおい。
不思議に思いつつ、中へと足を入れた。
「お邪魔しまーす」
微妙にずれたハモリで告げ、二人は中に入っていった。
そうして、ここに住んでいる彼が、この工房の主である陶芸家の人だってこと。
ずっと一人暮らしで、ここに長いこと住んでいることを知った。
あとでシン兄さんに聞いたら、結構有名な人らしい。
でも、そんなこと全然見せない人だった。
ほんのちょっとだけ、近寄りがたいところはあったけれども。
けれど、時間が経つにつれて、打ち解けられるようになったら、凄く気さくな人なんだって解ったんだ。
きっと人見知りをするんだろうな。
キラ兄さんも、そんなところ、あるもんね。
あぁ、そうか。
なんとなく懐かしい気がすると思ったら、どことなくキラ兄さんに似ているんだ。
だから、ボク、好きになったのかな?
そう思うと、なんか照れくさかった。
あのあと帰ったら、大騒ぎになってたっけな。
ボクらが行方不明になったとかって。
キラ兄さんなんか、ガイに向かって凄い剣幕で怒ってたっけ……。
「おまえが一緒にいたのに、なんで迷子になんてなったんだっ!?」
なんて感じで。
本当、ガイには悪い事しちゃったなぁ……。
ガイもボクも同等で、二人の連帯責任なんだけどな――って、ボクは思ってるんだけど。
周りはそうは見てくれないみたいで。
やっぱり、ボクよりは年上のガイの方が、責任としては重いらしい。
そう言うことは、よくわかんないな。
でも、あんまり迂闊にあちこちへ行かないでおこう――この日の出来事を教訓にしようって思ったのは確かだった。
別にキラ兄さんがよく言うように、ボクが迷子になるからってわけじゃなくて。
ボクがそう言うことをすると、一緒にいる人に迷惑がかかるから。
今更かもしれないけれど、そう思ったんだ。
それって、大人に近づいたって事!?
自分じゃ解らないけどね。
だって、ボクはいつまでたっても子供みたいだって言われてるから。
大人と子供の境目って、よくわかんないよね。
キミは、わかる?
* 「現代に舞い降りた天使たち[SpinoutStory's]」目次へ戻る
Information